平成29年10月6日付けで、定置網の共同管理グループ構成道府県への操業自粛要請が発出されました。http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kanri/171006.html
定置網の共同管理グループにおける、第3管理期間(2016.7.1-2017.6.30)の漁獲量が770.0トンと漁獲枠の580.5トンを超過したため、太平洋クロマグロの30キログラム未満の小型魚の漁獲に係る操業自粛要請を発出しました。
第3管理期間の漁獲状況
簡単に言うと、水産庁から各都道府県に対して、これ以上漁獲量が積みあがらないように指導してください、といった内容になっています。
どうしてこのような状態になったのかというと・・・
第3管理期間がスタートして間もなく、北海道や岩手県は漁獲枠をオーバーしてしまっています。これはマグロが全国で豊漁だったせいもあります。
マグロの資源管理がスタートした頃(沿岸漁業は2014年から本格的に開始)は、マグロが入る定置網は全国でも限られていたので、自分の定置網にはマグロは入らないから関係ない、マグロを狙っているわけではない、獲れてしまうからしょうがない、といった漁業者がほとんどでした。
そもそも、沖合で漁業をするまき網漁業が獲る量を年々削減しているのだから、沿岸にマグロが寄ってきて獲れるのは、水産庁であれば予想できたと思います。
しかし、水産庁は「自主規制」という名のもとに責任転嫁し、漁師さんたちやってくださいね、といった中途半端な指導になっていました。
定置網のみならず、一本釣りや延縄漁業に対しても、管理の仕方や指導方針を明確に定めていない状態で、管理してください、というのはあまりにも他人事すぎるのではないでしょうか。管理手法の確立、指導の徹底がなされないと、現場の漁業者が一番困ります。
青森県の日本海側は、漁獲量を個人まで割り振り、来季(2017年5月から6月)の漁獲量を残して、今年の操業を終えている漁師がほとんどです。
資源管理を当たり前にしっかり取り組んでいる漁師が割を食うようなことは、国として絶対にやってはいけないことだと思いますし、きちんと整理してくれることを切に願います。