マグロの内臓は、主に以下の部位が当てはまります。
【心臓、胃袋、肝臓、幽門垂(ゆうもんすい)、腸、胆のう、卵巣・精巣、鰓(えら)】
この中で食べることができるのは、心臓、胃袋、肝臓、腸、卵巣・精巣です。
幽門垂や胆のう、鰓は、どうやって調理すればよいのか開発されておりません。サプリメントなどになるかもしれませんが、食卓でいただくには少しハードルが高い部位です。
~マグロの心臓(ハツ)~
マグロの心臓には、他の部位に比べてタウリンが豊富に含まれています(920mg/100g)
タウリンは魚貝類に多く含まれていることが知られていますが、その中でもトップクラスの含有量です。さすが、一生泳ぎ続けるマグロの心臓です。
実は血合肉にも同等のタウリンが含まれていらしいので、血合い肉も捨ててはもったいないですね。心臓にはこのほかに、コエンザイムQ10も含まれておりますので、美容に感度の高い方であれば興味が湧くはずです(7.8㎎/100g)。
~マグロの胃袋~
100㎏のマグロの胃袋にもなれば、相当な大きさの胃袋になり、秋サケが一匹まるごとはいっていることも。胃袋は、非常に分厚い構造ながら、伸縮に富んでいるのが特徴で、独特の臭みがあります。マグロ漁師は、これを1昼夜煮込んで臭みを消し、酢味噌で和えて食べるときもあります。
~マグロの肝臓~
マグロの肝臓は、非常に大きく、脂ののったマグロほど、大きくなっている印象を受けます。
多くの魚介類は、特定の地域に関わりなく、微量の水銀を含有しているそうです。その中でも、マグロは海の生態系の中でも頂点に近いところにいるので、食物連鎖の過程で自然界に存在する水銀を体内に蓄積するため、特に妊婦さんは食べる量に気を付けなければなりません。
しかし、この内容を見てみると、水銀含有量の高い魚介類だけを偏ってたくさん食べることを避ければ、魚食のメリットを活かしていけるとのことです。
煮魚が好きな方はわかるかと思いますが、魚の肝臓は煮ると非常に美味しいです。もちろん、まぐろの肝臓も非常に美味しいので、しっかりとした検査を行って、商品開発しなければなりません。
~マグロの腸~
マグロの腸は、大きい個体のものでも、小指ほどの太さで数十センチ程度しかありません。きれいに開いて、洗浄すれば胃袋とは違った食感を楽しめる希少部位です。この部位を製品化している企業はないかと思います。
~マグロの卵巣・精巣~
産卵期のマグロを漁獲する漁法としてまき網漁法がありますが、マグロ資源の枯渇が叫ばれている昨今、卵巣や精巣は食べないという選択肢をする消費者が増えてもいいのではと思います。もちろん獲ってしまったものを有効活用するために、商品化するのも大事ではありますが、一般の人が買わなければ業者は商品化することもありません。一般消費者側からできる海の資源管理も必要な時代になってきているのではないでしょうか。