青森には、魚の王様であるマグロをはじめ、ブリ・タイ・ヒラメ・イカ・トゲクリカニ・ホタテ等、挙げたらきりがないほど美味しい魚介類がたくさんあります。
青森の魚たち NPO法人Fair Trade Fishery.
「魚の旬」は、1年に1度しかないと思われがちですが、同じ魚でも旬は2度来るものが大半を占めます。一般的に知られている旬に対し、裏旬(うらしゅん)もありますので、ここでご紹介したいと思います。
旬や裏旬を理解するためには、まずその魚が産卵期かそうでないかを見極める必要があります。
基本的に、魚は産卵期には生殖腺(オスは精巣、メスは卵巣)に栄養が取られてしまいます。子孫を残すためにエネルギーがそちらに配分されるといった形です。そうなると、身がぼそぼそしたり、旨みが減ったりしてしまいあまり美味しくありません。しかし、産卵期ではない時期、特に生殖腺に栄養を蓄えようとする直前の時期は、身に栄養があり、身が美味しくなる傾向があります。
例えば・・・
冬が旬の魚といえば、タラ。この時期のタラは白子やタラコがあるから旬とされています。
では、一般的に産卵期を旬としているタラの場合の裏旬は?
いつかというと、夏です。
夏場のタラは、お腹がパンパンになるほどたくさん食べ、非常に身が美味しい時期なのです。「たらふく食べる」と言われる語源は、夏場のタラからきているとされています。タラの裏旬が夏であることを知っているのは、漁師や業界関係者のみだと思います。
また、秋田のハタハタ漁は12月頃の産卵期の魚を獲る一方で、鳥取の底引き漁は春から夏場の身が美味しい裏旬のハタハタを獲っています。
旬の魚が一番よいかというと、必ずしもそうではありません。脂が乗ったイワシは、焼き魚にするのがいいだろうし、脂が少ない時期であれば、叩いて薬味などと併せてさっぱりいただくのもいいと思います。
刺身で食べても美味しくない魚であれば、昆布締めにして味を追加するのも手でしょう。それでもだめなら、みりんを付けながら焼いてみたり、脂が少ない魚であれば衣をつけて揚げてみたりするのもいいと思います。
旬をしっかり理解しているということは、どう調理すれば美味しくいただけるか、考えることができるということです。